2013.11.23-24 illustrations exhibition「スネルの法則」展

「スネルの法則」というのは光が空気から水などの違う媒質に入るときの入射角・屈折角の関係を表す法則のことです。
2人展をするにあたり大雑把に捉えて描く対象は同じだけど入射角が違うから出来上がった作品は全く違っているという意味で付けました。

 

「涵養」200×300mm

涵養とは水が自然に浸み込むようにゆっくり養う事という意味です。
自分がこうしている間にも必ずどこかで何かが生まれて生きて生んでそれを繰り返していることをよく考えます。
動植物に関しては特にとても静かで揺ぎ無い意志を感じます。
三部作です

 

「涵養Ⅱ」200×300mm

 

「涵養Ⅲ」400×500mm

これは木なんですけど画面の高さ真ん中らへん、中から木の皮をカーテンみたいに広げて覗く見張り番が何箇所かいます。
実物を見た方も最初は気付かなくて見付けてハッとしている姿が楽しかったです。

 

「潜行」

潜行とは水中に潜っていくことや人知れず行う事という意味です。
それを釣り上げた瞬間を描きました。
抽象的な意味合いもありますし、実際今この床の下に土があってそこには虫とかが生活していてその下に下水道があって誰かが歩いているかも知れないし、地下鉄が走っていてたくさんの人達が高速で移動していたりします。

 

「棲家」

引きで見ると何かが生息しているくらいだけどよく見ると個々がいろんな思いを持って生活していることが解る、人だけでなくすべての生き物をイメージして描きました。

 

「増才」

以前もこちらに書きましたが虫とか魚とか感情が見えないのでまるで増えるためだけに真っ直ぐに動いているように見えてその才能はすごいなと思って描きました。
それを表す漢字2文字が見付けられなかったのでタイトルは造語です。

 

「無風」

足摺岬に行ったときとても強風だったけど建物の中から見た景色はとても静かで穏やかでした。
強風の中渡った長い橋の先の無風の空間の安堵感はそこから見た景色と共に心に残っています。

 

「四方」

この絵の中に自分が立っているとしたらどれくらいの大きさだと思いますか?
私がこの絵を描いた時は真ん中の柱の10分の1ほどのイメージでした。
会場で話をしていると人それぞれ違う事が解り自分を大きく捉えた人は今の状況に窮屈なものを感じているようでした。
そういう見方を狙って描いたのではなく四方にこの景色が広がっていて自分はそこから何処へでも行けるという思いを込めて描いた絵です。

 

「秘境」

鍾乳洞とか行ってみたいなって思って描きました。
人が入れないから知られてないだけで地面の先が可動式になっている場所もあるかも知れないとか。

 

「山道」

タイトル通り山の道だけを描いた絵です。
大台ケ原を歩いた時の感覚で描いたので実際の道とは違います。
よく見ると草が生えていたりきのこが生えていたり石が積まれていたりして、みなさんパッと見何の絵か解らないけど細部を見て楽しんでいました。

 

「山彦」

いろんな山に登ってきましたがなかなか山彦ポイントってないですね。
ヤッホー!なんて叫んでいる人もいません。

 

「濡道」

雨に濡れた道を描きました。
タイトルは造語です。
雨に溶けて流されて地球の表面が大移動を始める、そんなことを考えると雨の日もなんだかわくわくしてきます。

 

「何処」

人以外の生き物は自分の役目を終えると何処かで息を止めてそのまま土にかえる。
なぜ人は墓に入るのか、考えると不思議です。

 

「風解」

右奥の島に住んでいた生き物が外の世界に出ようと橋を渡るけどその先は自分の生きる環境ではなく体が粉になってしまったところです。
ある人がその解説を聞いて「この島に使命があるんやな」と解釈していてどこまでポジティブなんだろうと驚きました。

 

「気配」

これはオオサンショウウオを描いたんですけど、野生では見たことない生き物でも確かにそこにいて気配だけを残している、会えそうで会えない憧れみたいなものがあります。

 

「月隠」

地球から月を見た時に雲で隠れている状態を月隠れと言います。
これはその時の月目線です。